『秋風帖』とは、頼山陽・篠崎小竹・小石元瑞・後藤松陰・浦上春琴・田能村竹田といった19世紀前半の代表的な京阪文化人たちが五代目塩屋清五郎こと岩城西陀のために漢詩や絵を寄せ書きした画帖である。
 江戸時代の七尾町人が遺した最大の遺産ともいえる『秋風帖』であるが、残念ながら現在所在が不明となっている。中村禎雄氏の著作によると、以前はわかもとの社長が所蔵していたそうである。
 『秋風帖』は、書画骨董愛好家の間で相当有名な存在であったようで、確認できているだけでも二度影印本が出版されている。明治時代に景竹会から(石川県立図書館所蔵)、昭和6年ごろ(1931年ころ)には京都の便利堂より出版されている。七尾古写真アーカイブでは、便利堂より発行された影印本を所蔵している。ウェブサイトでの公開について便利堂へ問い合わせたところ快諾をいただいた。よって、『秋風帖』の一部をここで公開させていただくことにする。ここでの公開を通して、七尾市民の間で『秋風帖』が認知されていくことを期待する。そして、いつの日か影印本を再版し、七尾市民の間に広く普及せしめることを願うものである。ゆくゆくは『秋風帖』の実物を七尾へ里帰らせたいとも夢見ている。『秋風帖』の所在をご存知の方がおられたら七尾古写真アーカイブまでご連絡いただきたい。

 『秋風帖』影印本を出版し、さらに今回の公開に理解を示していただいた便利堂に深く感謝の意を表します。
                                                         




西陀 ○也得陽字二首


頼山陽 漢詩


浦上春琴 山水画


田能村竹田 水彩画
『秋風帖』影印本
昭和6年ごろ(1931年ころ)
便利堂印行





各人物の詳細については、楽斎・西陀・木聖のページをご覧下さい。

  



 




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